目次
千葉県浦安市にある「月輪山千光寺 月の廟庭」さんを見学させていただきましたので、その様子をレポートします。
雨の日や暑い日も快適な屋内墓苑
見学させていただいた日は、前日から東京の平野部でも大雪が降るおそれがあるとの予報でした。
幸い、たいした積雪にはなりませんでしたが、朝から強い雨が降っていて、写真のように浦安駅の周辺も傘をさす人が行き交っていました。そのような天候の中での訪問でしたので、屋内墓苑がいかに快適にお墓参り出来るかを実感することもできました。お盆の暑い季節でも、空調の効いた建物の中でお参りできたら快適だろうと想像しました。
猿田彦様がお出迎え
駅から徒歩2分、大通りから遊歩道のような道に入ってすぐに「月の廟庭」はあります。一見、納骨堂とは気づかないほど、まわりの風景に溶け込んでいます。
建物の前の道は、車が通らない道なので、小さいお子さまがいても安心です。
屋内墓苑の入り口には、日本の神話に出てくる神様「猿田彦様」の像があります。墓苑に来られる方が自然と手を合わせたくなる像です。
ご住職の想いがつまった内装
入り口を入ると、エレガントなデザインの受付があります。
左手には水辺があり、水の流れる涼やかな音が館内に心地よく流れています。「月の廟庭」という名前の「庭」には、「お庭にいるように寛いで欲しい」というご住職の願いが込められています。
水辺の上には、水平線と太陽をイメージしたオブジェがあります。これは、来館したときは朝日に見え、お参りをした後に帰途につくときは水平線に沈む太陽を思わせるというストーリーになっています。
世界のさまざまな神様が集合
2Fはお参りに来られた方が休憩できるラウンジになっています。十分な広さがありますので、多くの方が来られるお参りの時期でも安心です。
写真の絵は、ヒンドゥー教の海の神様の絵だそうです。浦安はもともと漁師町で、漁業を生業とされてきた方も多くいるそうです。そうした方々のために、海の神様も祀って差し上げたいというご住職の発想だそうです。ご住職は、毎朝、この絵の前でお経を上げられるそうで、墓苑内にはお経を上げる場所が8か所あり、朝5時からそれぞれの場所で読経されるそうです。ご住職のご供養への深い思いを感じました。
広々とした参拝室
3Fが参拝室になります。エレベーターを降りると、左右に阿形と吽形の金剛力士像がフロアーを守るように立っています。室町時代のものだそうで、長い時の流れを感じさせる佇まいをしており、ご住職が「これまで体がぼろぼろになるまで人々を守ってきたから、これからは室内の落ち着いた環境で人々を守ってほしい」 と引き取られたそうです。
エレベーターを挟んで、「山桜」と「若葉」という2種類の墓石のデザインが違う参拝室があり、それぞれ6室、計12箇所の参拝室があります。
参拝前に、どの参拝室でお参りするか写真のパネルで操作します。操作はとても簡単で、手でタッチするだけです。写真のパネルは1Fのもので、1Fと2Fに同じものがあります。
参拝室の墓石はそれぞれデザインが違っていて、高級「黒御影石」に雲をイメージした金や銀の模様が箔押しされています。他の納骨堂とは違う、ご住職のこだわりがここにも感じられます。これらのデザインを担当したのは世界的な金箔アーティストで、墓苑内にある太陽や月のオブジェもその方によるものです。
厨子にもこだわりが
ご住職のご供養への想いは厨子にも反映されています。厨子はお骨壷を納めるもので、この厨子が自動で参拝室のところまで運ばれてくるものが自動搬送式と呼ばれる納骨堂になります。
写真の厨子の中に、赤い絨毯が敷かれているのがわかります。いわゆるレッドカーペットで、VIPが歩く場所にレッドカーペットが敷かれているようにおもてなしをしたいという住職の想いの表れです。
また、厨子の向こう側の側面に大日如来様の仏画があり、いつも神様に見守れている中でお眠りいただけるようになっています。仏画はお釈迦様など5種類があり、国宝の修復を行うような技術を持った美術者によって描かれています。仏画をつけないということも可能です。
7寸のお骨壷で、2名様までお納め出来ます。粉骨した後に骨袋でお納めした場合、大体8名様程度のご家族を納骨がすることが出来ます。期限はありませんので、お墓を継承される方がいらっしゃる限り、この厨子でお眠りいただけます。万が一、継承される方がいらっしゃらなくなった場合でも、合祀墓で千光寺様が永代にわたってご供養されます。無縁になりませんので安心です。
大切なご家族の一員として、ペットも一緒にお眠りいただけます。
泉涌寺をモチーフにした本堂
5Fに行くと、月輪山千光寺様の本堂があります。ここにもレッドカーペットが敷かれています。
一般的にお寺の本堂は平坦なつくりになっているかと思いますが、この本堂は入口からご本尊へと段を下っていく構造になっています。これは、ご住職が修行の時代を過ごした京都の泉涌寺(せんにゅうじ)が念頭に置かれています。泉涌寺は、総門からぐっと下って行ったところに仏殿があり、夜、仏殿から振り返ると高みにある総門の真上に煌々と月光があるそうです。その澄んだ気高さが、千光寺本堂のモチーフになっています。
ご法要も行えます
本堂のほか、2Fに観音堂、4Fに弁天堂という法要室があります。納骨のご法要、年忌法要もこちらの納骨堂で行えます。和室が備わっていますので、喪服へのお着替えなどにご利用いただけます。
まとめ
今回、見学させていただいて感じたのが、悪天候の日でも気にせずお墓参りが出来る屋内墓苑の快適さと、千光寺様全体に込められた「物語性」の素晴らしさです。
例えば、写真の三日月のオブジェは1Fにあるのですが、各階に同じようなオブジェがあり、5Fの満月まで姿を変えていくように出来ています。こうした物語性があらゆる場所に施されています。
ぜひ一度、「訪れる人に喜びを与えたい」というご住職の想いにふれてみてください。
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