納骨堂とは－タイプや費用について

人口密集地で増えている？納骨堂について

近年のお墓は種類が多様化しており、納骨堂という言葉も頻繁に見聞きするようになりました。

納骨堂は、墓地を伴う一般のお墓とは異なり、設置面積も少なく済むことから、人口が密集し、交通の利便性が高い都市部で増加してきました。

また、お墓の継承者がいない方が増える中、納骨堂には永代供養がついていますので、お墓の相続問題を解決する手段としても選ばれています。

お墓とどう違い、どのような方に選ばれているのか、納骨堂の特徴や費用について見ていきましょう。

納骨堂の運営形態について

納骨堂は寺院をはじめ、自治体が運営するものや民営霊園の敷地内に設置されるものも増えてきました。

寺院の納骨堂は、敷地内に設置されるのが基本ですが、墓地の区画を利用するのとは異なり、檀家になる必要がないものもあります。

自治体が運営する納骨堂は、申し込みには、その自治体の住民であることをはじめ、一定の条件を満たすことが基本的に求められます。

民営霊園が運営する納骨堂は、タイプも多様化しており、ロッカー式や自動搬送式と呼ばれる機械を使ったもの、いつでも気軽に訪れて位牌を呼び出して礼拝ができるタイプなどさまざまです。

個別のタイプが増えている一方、身寄りがない方に選ばれているのが合祀型納骨堂です。比較的安価で、個別と同じく永代供養なので、永久に納骨できて、お寺や霊園による供養が受けられます。しかし、一旦納骨すると、個別にご遺骨の返還を受けることが出来ない点は注意が必要です。

納骨堂の型式（タイプ）

現在主流となっている納骨堂のタイプは、現代のニーズに合わせた新しいスタイルで、期限付きの永代使用料を払う室内型になります。ご自身の死後に、残された家族がお墓の管理ができるか不安のある方や、子孫にお墓の継承やお墓参りの負担などをかけたくない方に人気です。

納骨堂はお寺や霊園が管理してくれるので、一般的なお墓と違い、個別に管理したり、掃除をしたりする手間もかかりません。

一方、気軽に家族がお参りをしてくれたらうれしいと、会社帰りにも立ち寄れるような都心部や、24時間礼拝ができる納骨堂なども注目されています。

ロッカー（棚式）式は、ロッカーといっても見た目は荘厳なデザインで、設置されている場所もお参りに適した雰囲気を備えているため、遺骨をロッカーに入れると言ったイメージとはかけ離れています。

礼拝壇（仏壇式）式は仏壇のような仕様で、位牌や香呂、花立てなどが置け、下段部分に骨壺を納められる納骨所があり、霊廟式などとも呼ばれるタイプです。

墓所式は墓石を並べるタイプの納骨堂で、室内型霊園とも呼ばれ、通常のお墓参りのような墓参ができますが、天候に左右されず、雨の日や暑い日、寒い日も快適です。

最新の機械搬送式は、コンピューターで制御され、家族などが所持している専用のICカードをスキャンすると、納骨場所から指定したご遺骨や位牌が自動で参拝者のいる礼拝室へと移動してきます。

納骨堂の費用

納骨堂の費用は、墓地を利用する場合に比べて低コストですが、具体的な費用は運営母体や納骨堂の立地、納骨室のタイプ、サービス内容などによって異なります。

一般的には、地方より地価の高い都心部にある納骨堂ほど費用は高めです。また、納骨室のタイプによっても費用が異なり、設置費用や維持費用、光熱費などがかかるほど高額化します。

一概には言えませんが、位牌のみタイプ、ロッカー式、礼拝壇式、墓所式、機械搬送式の順に高コストになります。また、納骨室のサイズが個人用、夫婦用、家族用と納骨数が多くなるほど高くなり、1人用の合祀スタイルがいちばん安くなります。

費用の相場としては、以上の違いを踏まえて、10～150 万円ほどです。永代使用料のほかに、年一回管理費を払う場合もあり、特に室内の設備が行き届いた納骨堂は管理費がかかるケースが多いです。

まとめ

都市部のお墓不足や、地価の高騰、お墓を承継する方がいない家庭の増加や、残される家族の負担を減らしたいという価値観の変化に伴い、納骨堂へのニーズが高まっています。

スタイルも費用もさまざまであるため、納骨堂を希望する際には、ご本人だけでなく、残されるご家族や親族などの意見も聞きながら総合的に検討しましょう。