寿陵とは、生前に自分(たち)が入るお墓を建てておくことです。
お墓というと不吉とか縁起でもない、死という嫌なイメージがつきまといます。そのため、生前建墓に抵抗を持つ方も少なくありません。ですが、生前建墓を寿陵と呼ぶように、実は縁起がいいことと考えられているのです。
なぜ寿陵が縁起がいいのか、その起源や歴史、特徴についてみていきます。
寿陵は縁起ごと
日本で最初に寿陵をしたのは、歴史上も名高い聖徳太子だと伝えられています。
生前にお墓を建てると、足を引っ張られると言い、縁起が悪いとか、寿命が縮まるなどと考える方も一部にはいます。ですが、寿陵が意味するのは生前建墓は縁起がいいということです。
生前にお墓を建てることで寿命が延びるともいわれ、長寿や子孫繁栄、家内円満につながるなど縁起がいいと言われています。
寿陵墓の特徴
家族が亡くなると、悲しみに暮れている暇もなく、葬儀や法要、お墓の購入や納骨、仏壇や仏具の準備などに追われます。生前に寿陵をしておけば、少なくともお墓を準備する必要はなくなります。これは大きなメリットです。
霊園探しや墓石選び、設置工事などは労力も費用もかかるので、生前に行っておいてくれれば、残された家族の負担も減らせます。
また、生前建墓をすれば、墓石は相続税の非課税対象なので、相続税の節税にも役立ちます。
寿陵墓の起源
寿陵は中国の皇帝が生前に自分の陵墓を造営したのが始まりと考えられています。中国の古文書によれば、紀元前335年に国君が寿陵をした旨の記載が残されているほか、秦始皇帝陵が世界遺産に登録されています。
寿陵墓の建立の手順
寿陵をするには元気なうちがベストです。墓地や霊園を見て回ったり、石材店とお墓のデザインや費用などについて相談や交渉をしたりするなど、労力も費用もかかるためです。
元気なうちにお墓を建てることができれば、自分の死後のことも安心でき、残される配偶者や子どもたち、孫たちや兄弟姉妹などの負担や不安も軽減できると気持ちが楽になります。
寿陵により自分の死後の不安から解放され、気持ちが楽になってストレスが減ることが、長寿につながるのかもしれません。
自分の好きなデザインのお墓が建てられるのも、寿陵の大きなメリットでしょう。
寿陵墓と開眼供養
仏教ではお墓の建立が済むと、住職が読経を行うなどして開眼供養を行います。もっとも、寿陵の場合には建立時でなくともよく、家族や親族が揃う日に改めて開眼供養をしてもかまいません。
寿陵墓への墓参り
開眼供養が済むと、納骨されるご遺骨がなくても、墓石には仏様が宿ると言われています。そのため、まだまだ死なないから大丈夫とか、お墓に行くのはまだまだ先などと言わずに、お墓のお手入れやお掃除などを定期的にするようにしたいものです。
近年は大型の霊園において、霊園自体がレジャースポットのようになっているところもあります。レストランや散策できる庭園、ふれあい動物園などがあるケースもあるので、そのようなところを買った際には、家族やお孫さんと年に何度か出かけて、寿陵墓のお手入れをするとともに、いずれお墓参りをしてくれるよう、習慣を身に着けておくといいかもしれません。
まとめ
寿陵とは生前に建墓することですが、縁起がいいと言われています。長寿、子孫繁栄、家内円満などにつながると古くから言い伝えられています。
現実的にも、自分がお金を支払ってお墓を建てておけば、死後の不安が解消され、残されるご家族の負担も減らせます。
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