永代供養にお布施は必要ない？正しい関係性や費用相場をご紹介

以前は家族代々で一つのお墓を継承することが一般的とされていました。しかし、近年は少子化の影響や核家族が増えたことなどから、お墓の継承そのものが困難になっています。

そこで増加しているのが永代供養です。聞いたことはあるものの、詳しい情報や知識まで把握している方は少ないのではないでしょうか。

この記事では、永代供養とお布施の正しい関係性や費用相場などについてご紹介します。

永代供養とお布施の関係を理解する

まずは、永代供養とお布施の関係を正しく理解することが重要です。永代供養の意味や永代供養をする際のお布施の必要性などを解説するので、参考にしてください。

永代供養は寺院が行う遺骨の管理と供養

「永代供養」とは、「未来永劫にわたって死者を供養すること」というのが本来の意味でした。しかし、現在では「寺院が遺族に代わって、供養と管理をしてくれること」という意味に変わってきています。

「跡取りがいないので、お墓の後継者がいない」「お墓が遠方にあってなかなか行けない」など、現代の人々の生活に合わせるための手段として、永代供養が選ばれるようになってきています。永代供養で管理する遺骨は、契約上の管理期間を過ぎた後は、合祀他の遺骨と一緒に供養されることが一般的です。

永代供養の形式にもよりますが、全体的に見れば一般的なお墓よりも供養にかかる費用が安くなる場合が多いでしょう。

お布施は気持ちのあらわれ

お布施は、「法要などで読経していただいたお坊さんへの謝礼のお金」と思われがちですが、本来は仏教で必要な修行を意味します。具体的には仏教徒としての自らを磨き、悟りの境地に至るために欠かせない6種類の修行のうちの1つなのです。

お布施をお渡しする相手はお坊さんですが、実際にはご本尊様にお渡ししています。つまり、お布施はご本尊様への感謝の気持ちのあらわれといえるでしょう。

永代供養にお布施は必要ない

永代供養の場合は、永代供養料に納骨法要時のお布施が含まれている場合が多いでしょう。ちなみに一周忌や三回忌などで読経をしていただく際のお布施は、永代供養の費用には含まれていません。

永代供養料に含まれる費用は寺院や霊園により異なります。事前に確認をしておくと安心です。

永代供養料の正しい費用相場を知る

永代供養の料金は、納骨の形式や遺骨の数、寺院の宗派などによって大きく変わってきます。

そこで永代供養料の費用相場を知ることで滞りなく永代供養を行えるよう、それぞれの相場をご紹介します。

合祀墓・集合墓の相場

合祀墓、集合墓の永代供養料の相場は、約5万円～30万円程度です。合祀墓では、不特定多数の人と一緒に遺骨が埋葬されます。

一方集合墓の場合は、合祀墓と同じく1つのお墓に入りますが、中で遺骨は個別にわけられます。ただし一定の回忌を過ぎると合祀され、供養されるなど、形態はさまざまです。

どちらも多くの人々とひとつのお墓を共同利用することで、比較的安価な相場となっています。

埋葬後は霊園や寺院に任せられるので、お墓の管理や継承といった心配がないというのもポイントです。

納骨堂の相場

納骨堂の永代供養料の相場は、約10万円～80万円程度です。こちらも選ぶタイプによってそれぞれ費用が異なります。

占有する場所が大きくなればその価格も高くなるので、複数人の遺骨を納めることができるタイプはその分値段も上がることになります。こちらも年間の管理料が別途必要となる場合が多いので注意しましょう。

単独墓・夫婦墓の相場

単独墓や夫婦墓の永代供養料の相場は、約150万円～300万円程度です。永代供養料自体の相場は40万円ほどですが、墓地を新たに建立する場合は、墓石費用や区画費用が必要となるため高額になるのです。

別途年間の管理料もかかる場合もあるのでご注意ください。通常のお墓と同じように、個別の墓石に納骨ができます。

そして、一定期間保管された後に合祀されるという流れです。

樹木葬の相場

樹木葬の永代供養料の相場は、約20万円～80万円程度です。従来のお墓を建てるために必要な墓石代が樹木葬の場合は、不要となります。

必要となるのは、大きく分けて永代供養料と管理費のみです。また、樹木葬の中でも合祀型（1本の木の周辺に多数の人の遺骨を埋葬）の場合が約5万円～20万円程度、個別型（1本の木の周辺にひとりまたは夫婦の遺骨を埋葬）の場合は約15万円～60万円程度の相場となるでしょう。

まとめ

永代供養とお布施の正しい関係性や費用相場などについて解説しました。一般的に永代供養料には納骨法要のお布施が含まれますので、その際のお布施は不要です。

お墓に関する費用は、どんな形であっても決して安くないものです。焦って決めると後々トラブルになることもあるので、必ず事前に問い合わせることをおすすめします。

永代供養を選ばれる方それぞれに理由や目的があり、現代ではお墓に対する考え方も大きく変わってきました。しかし、変わってはいけないことがあります。それは、故人を想う気持ちを持ち続けることではないでしょうか。